出力とトルクの関係って??

気になるバイクをネットで調べたりカタログを見た時、普段見慣れない用語が乱立しているもの。

馬力トルクなど、大きければ高性能というのはなんとなく分かっても、具体的な内容はわからなかったりするものです。

カタログスペックの見方とは

バイクの性能は、そのモデルのスペック/諸元表を見ることで容易く見極めることができます。

スペック表とはバイクのさまざまなデータを表し、人間のプロフィール表のようなもの。

つまり、スペック表でバイクの大きさやサイズ、パワーが大まかに分かります。

しかし、スペック表の中には最高出力最大トルクなど普段見慣れない単位が出てくるもの。

そこでバイクのカタログスペックに記載される項目ひとつひとつの概要と、エンジンに注目して難しい表記内容の詳細を中心に解説していきましょう。

スペック表の項目と概要

スペック表は下記表のような項目が記載されます。

項目概要
全長タイヤを含む車体最先端から最後尾までの長さ。
全幅車体の幅が最も広い部分。
全高地面から車体の最も高い部分までの長さ。
軸間距離
(ホイールベース)
前輪の中心から後輪の中心までの長さ。
最低地上高地面から車体までの最も低い部分までの長さ。
シート高地面からシートの座面までの高さ
車両重量車体にオイルやガソリンを含んだ装備重量
最小回転半径バイクのハンドルを目いっぱい切って車体をぐるりと
直立状態で一周押したとき、どのくらい大きさの円で
回れるかを数値化したもの。
単位は主にm(メートル)です。
乾燥重量オイルやガソリンを抜いたときの車体重量
エンジン種類
またはエンジン型式
燃焼形態、シリンダーの配置、カムシャフト型式、
シリンダーの配置などを示す。
総排気量バイクの排気量の数値
内径×行程内径はシリンダーの直径、
行程はピストンの上死点と下死点との間の距離を示す。
圧縮比大気圧”1″に対して、混合気をどのくらい圧縮されて
いるかを示す。
最高出力馬力のピーク時を数値化して示す。
最大トルクトルクのピーク時を数値化して示す。
変速機型式マニュアル(MT)かオートマ(AT)か、
また変速機が何速なのかを示します。
変速比各変速域におけるエンジンの回転数とタイヤの回転数の比率。
減速比(1次/2次)ギアチェンジした後の回転数とタイヤの回転数の比率。

エンジン種類とは

エンジン種類(またはエンジン型式)は搭載されるエンジンがどのような作りなのか略式で表されています。

ここではエンジンの冷却方法、気筒数、シリンダーの配列方式、弁方式、バルブ数が挙げられ、過給機装着車であれば「ターボ」や「スーパーチャージド」といった記載もあります。

また、エンジンが4ストローク(または4サイクル)か2ストローク(または2サイクル)かも記載されますが、2ストロークが廃止になったため、現行モデルの新車はほぼすべて4ストロークです。

冷却方法水冷、空冷、油冷
気筒数バイクの場合、単気筒(1気筒)から4気筒が主流。
ホンダ・ゴールドウイングやBMW・K1600GTLなど一部で6気筒だったりします。
シリンダー配列方式並列、V型、水平対向型
弁方式DOHC(Double OverHead Camshaft)
SOHC(Single OverHead Camshaft)
OHV(Over Head Valve)

出力とトルクとは

出力とは

出力とは、「75kgf(キログラム重)の物を1秒で1m動かす力」と定義され、大昔に馬が動力源を担っていたことから、定義された力を馬一頭が発揮する仕事率と仮定し1馬力に定めました。

例えば、75kgの荷物を毎秒2メートル動かせば2馬力、150kgの荷物を毎秒1メートル動かしても2馬力になります。

馬力を表す単位は、日本で仏馬力のPSを用いますが、アメリカとイギリスでは英馬力のHPを用いてます。

PSとHPは同値で扱われる場合がありますが、正しくは1PS= 約0.986HP。また、スペック表には馬力をPSとkWを表記し、変換する場合は1PS=0.7335kWで算出します。

トルクとは

トルクとは、エンジンが発生する回転力を示し単位にはkgf・mとN・mを使用します。

1N・m=0.10197kgf・m、逆に1kgf・m=9.8067N・mになります。

これは1Nの力を中心から1m離れたところで働く力が1N・mになり、5Nの力を中心から0.2m離れたところで働く力も5×0.2=1で1N・mになります。

出力とトルクの関係は、トルク×回転数=出力となるため出力を算出する場合はトルクがわからなければ判定できません。

最高出力/最大トルクとは

カタログには最高出力を「○○ kW(□□ PS)=△△△ rpm」、最大トルクを○○ N・m(□□ kgf・m)=△△△ rpmと記載されますが、これはエンジン回転数△△△rpmのときに最高出力と最大出力を発揮することを示します。
 
 

バイクを選ぶポイント

バイクを選ぶ際は、自らの背の高さに応じ車体サイズやシート高をチェックし、自らの体力や腕力に応じて取り廻すことができる車重であるかを見極めます。

車重はエンジンの気筒数が多くなれば重くなる傾向にありますが、ハーレーのV型2気筒やBMWの水平対向2気筒は4気筒のスポーツバイクより重くなることがあり、逆に国産スーパースポーツになると、4気筒でも400ccバイク並に軽く作られていることがあります。

最高出力や最大トルクは高ければ高いほど、高性能で速いバイクになりますが、街乗りやツーリングでは大パワーのエンジンだと扱いづらいです。

街乗りであれば低回転からでも加速しやすい高いトルク値のバイクが適し、逆にサーキット走行を楽しみたい方やワイディングのライディングと楽しみたい方は出力の高いスーパースポーツが妥当です。

スペック上で大排気量で出力やトルクが高数値のバイクが全て良しというわけでもないのです。

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